灯火懐古堂 其の二

かいこどうこんにちは。
西牧です。

来週末からのイベントのお知らせです。
昨年秋に開催して好評を頂いたイベント「灯火懐古堂」(トモシビカイコドウ)が、久しぶりに戻ってきます。

北欧ビンテージやアメリカンコレクティブルは、すっかり再評価され、一部のコレクターズアイテムという枠組みを越えて、広く一般にファンを獲得している昨今。
しかしながら、ここ日本で同じように60年代から80年代に掛けて製造されていたプロダクトたちは、まだまだ一部のコレクターやマニアが蒐集するアイテムのままで、海外のそれと同じように広く一般に再評価されているとは言えません。
だけど、いっぱいいっぱいあるんです、日本にも素敵なビンテージプロダクトが。

時代背景を言えば、時は高度経済成長期後半、ベビーブーマー達が社会進出を果たし、日本の人口構造が大きく変化した大量消費の時代、なおかつバブル経済へと突入して行く日本の社会の中で、多くの企業から代わる代わる新たなデザインのプロダクトが生み出されました。
それも、現在の日本のような大量安価消費の為の使い捨て・使い回しのデザインと高価で一部の層を狙ってプレミアム感を謳った限定的なデザインの二極化では無く、ある種独特な熱を帯びた社会の中で、海外市場でも勝負出来る経済力を持った日本の勤勉な多くの名も無いプロダクトデザイナー達が海外のデザインを学んで作った、とても優れたデザインのプロダクトが一億層中流と言われた消費者に向けて広く大量に大量に生み出されていきました。
ちょっと掘り下げてみれば、その時代の日本のプロダクトが北欧やアメリカのデザインと大して引けを取らないくらい優れていることは容易に知る事が出来ます。

TOCAの店主・西牧が10年少々に亘り蒐集してきた大量の1960~80年代の日本製の食器やキッチン雑貨等の展示販売を通して、もっと沢山の方に日本のビンテージの魅力に触れて欲しいという思いから始まった、灯火懐古堂。
第二回目となる今回も、また前回とは違った品揃えで素敵なプロダクトを並べたいと思っています。
「欧米コンプレックスからの脱却」なんて言う気はないのですが(私自身、欧米のビンテージも大好きで集めているので…)、欧米のビンテージと同じような目線で日本のビンテージにも目を向けて頂けたら一ファンとしてとても嬉しいです。
そんな思いも込めて、TOCAでは「昭和レトロ」ではなく「昭和ビンテージ」と呼びたいと思います。
日本のモノはまだまだ値段が吊り上がっていないので、40年前ぐらいのモノでもすごくお手頃なのも、手を出しやすいところです。

私がコレクションを始めるきっかけとなった石塚ガラスのアデリアブランドをはじめ、曽我ガラスのchum、佐々木硝子、Noritake、旭硝子のPYREX、岩城硝子のPYREX、Sango、MIKASA、HARIOなどなど…
魅力的なブランドのビンテージをご用意しています。

懐かしいと感じたり、新しいと感じたり、日本のデザインと北欧やアメリカのデザインの共通点を感じたり、色々な出会いの機会になれば嬉しいです。

「灯火懐古堂 其の二」
2014年8月22日(金)〜9月16日(火)
営業時間:12:00〜19:00
定休日:水曜・木曜
※9月13・14日はりんご音楽祭キャンドルデコレーションの為臨時休業