灯火懐古堂

灯火懐古堂2西牧です。
今週の4日、金曜日からのイベントのお知らせです。

「灯火懐古堂」(トモシビカイコドウ)
ーTOCAが見つけたちょっと昔の日本の日常ー

と題して、レトロデザインの魅力的な食器やキッチン雑貨等を一堂に集めたコレクション展を開催します。
期間は4日(金)〜15日(火)まで。
初日の4日(金)は、秋の夜長ナイトバザールとして、夜9時までキャンドルを灯しながら営業しています。
金曜の夜、飲みに出掛ける少し前にTOCAにも立ち寄って頂けたら嬉しいです。

灯火懐古堂は、日本でほんの40年〜30年程前までに作られ流通していたプロダクトを中心にしたコレクションです。
当時、普通の家庭で何気ない日常の中の道具として使われていたモノたち。
骨董やアンティークではありません。
古道具というのも少し違う気がします。
しかしながら、もう使われる事のない不要な古びたモノたち、と呼んでしまうにはあまりにも惜しい優れたデザインが、当時のプロダクトには多く存在します。

欧米のモノであればそんな時代のモノたちは、例えばミルクガラス製品に代表されるアイテムのように、「コレクティブル」などと呼ばれそれなりに価値を認められたりもしているのに、日本のモノに与えられた呼び名なんてせいぜい「昭和レトロ」くらい。
そんな時代の日本のモノに光を当てて、魅力を再発掘する事が出来たら・・・。
個人的には長年に亘りコレクションをしてきた時代のモノですが、その魅力を自分のお店でも紹介することが出来たらというのもまた長年の想いでありました。

今振り返って見ると、当時のデザインってすごく北欧的だったり、プリントものでもプリントで誤摩化さずにモノ自体のシルエットにもとことんこだわっていたり。
今と同じく大量生産時代のモノであるのに、今のモノとはまた違う熱を帯びているように感じます。
その違いは何なのか、この企画を準備するにあたりずっと考えていました。
その中で行き着いた事の一つに、生産方法は同じ大量生産でも、現代は「大量生産短命消費」の時代、「安い」という事だけが独善的な正義を振りかざして市場を闊歩する時代、それに比べて、当時の製品は大量生産の品でも例えば贈答用などの用途が多かったり価格もそこまで安いわけではないが故に長く愛用されるモノであったという違いが大きいのではないかと気づきました。
もちろん作り手側もそこを目指して作っていたのだと思います。
きっと勤勉で腕の良い多くの名も無い企業プロダクトデザイナー達が、今より情報の少ない世の中で真剣に情熱を注いで海外の無数のデザインを学び抜いて作り上げた日本のモダン。

今でも十分にオシャレなモノ、日々使える愛らしいデザインを、とことんセレクトして、基本的にほぼ全てデッドストックの状態でお出しします。
懐かしいと感じる方もいるでしょう、新鮮さを持って受け止める世代の方もいるでしょう。
あるいは、あーこれこれ子供の頃にウチにあった!なんて出会いもね。
ウチにあった時には気づかないのに、今になって改めて気づく魅力もきっとあるはずです。

ガラス器では、アンバーガラスや柄コップなどを中心に、石塚ガラスのアデリアが沢山に曽我ガラスのchumシリーズ、国内ライセンスのパイレックスなどなど・・・
陶器では、ストーンウェアを中心に、APOLLOやSIERRAやMIKASAやNoritake Folkstoneなどなど…
その他にも、ホーロー製品やポットなどなど・・・

いつもと違うTOCAで、もう二度と出会えないかもしれない、素敵なちょっと昔の日本の日常のモノたちに出会って頂けたら嬉しいです。

思いが溢れて長くなっちゃった。笑

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