TOCAの目「solnteさんのティッシュケース」vol.3

TOCAのオーナーの個人的なお気に入りの道具、日々の中で心に触れたモノなどをご紹介する事で、TOCAがどんな店なのか、どんな感覚の人間がやっている店なのか、ちょっとでもTOCAの事を身近に感じて頂けたらというブログ企画「TOCAの目」。

久しぶりの、第三回目はこちら。
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松本市の奈川で製作をされている木製家具工房「solnte」さんのチェリー材のティッシュケースです。

solnteさんの木の道具は昔から幾つか使わせて頂いていてとてもお気に入りの工房なのですが、こちらは昨年の秋にlifart…も出店させて頂いたクラフトイベント「つむぐ市」に出店されていたsolnteさんのブースで出会った作品。

ティッシュケースって、なかなかドンピシャでコレ!と思えるモノに今まで出会えていなくて、ティッシュ箱むき出しのまま使っていたのですが、こちらは一目惚れ。
あまりにドンピシャで、即購入させて頂きました。
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この作品は、昨年秋のつむぐ市で初めて出した新作とのこと。
私が買わせて頂いたこちらは試作品で、黒い木目の斑が入ってしまっているので販売用ではないとのお話だったのですが、私はこの黒い斑模様が入っている木目の姿に引き込まれてしまって、お願いしてこちらを買わせて頂きました。
一般的には、ムラのない綺麗なモノを求める消費者の方が多いのかもしれませんが、個人的には、天然の素材のものならなおさらですが、こういうイレギュラーな表情を持ったモノにこそ魅力を感じてしまいます。

エッジの効いたソリッドなシェイプが気持ちよいほど潔くて、「美しい」という言葉がよく似合う佇まいのティッシュケース。
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使い心地に影響の出ないギリギリのラインまで細く短く開けられた取り出し口のスリットのライン。
ミリ単位で限界まで攻めた設計になっているとのこと。
そのギリギリの攻防が、このプロダクトの要のように感じます。
表から見るとフラットなスリットですが、裏面はティッシュをセットしやすいようにテーパー加工もされていて、本当に良い仕事。
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ティッシュボックスを入れて、共材のマグネット仕込みのバーで固定するシンプルなシステムは、使い勝手も良く、見た目も美しい仕上がりです。

ここまで極限にシンプルなプロダクトを作るのがいかに難しい事か。
シンプルが故に見た目に伝わらないのはジレンマなのかもしれないなぁと、同じ作り手としては強く感じる部分でもありますが、シンプルなものをストレスなくシンプルに仕上げて、仕事の手数を使い手に感じさせないという「暮らしの中でうるさくないプロダクト」を作るためこそ、本当にたくさんの手数と丁寧な仕事が必要なんですよね。

ここまで美しいティッシュボックスは出会った事がなかったので、大変衝撃を受けたプロダクト。
半年ほど使った今でも、ふとしたタイミングで手にとって見とれてしまいます。

そんなsolnteさん、今月の19日から22日まで松本市のセレクトショップ「R」さんで個展を開かれるとの事。
先日solnteの島田さんがDMを届けて下さいました。DSC_1500
このティッシュケースが並ぶかは分かりませんが、solnteさんの家具や小物は、どれも素敵なモノばかりなので、ぜひとも機会を作ってお出かけ下さいね。

ちなみに「R」さんでは、私のキャンドルも常設でお取り扱い頂いております。