TOCAの目「こぶ志焼きのビアジョッキ」Vol.2

TOCAのオーナーの個人的なお気に入りの道具、日々の中で心に触れたモノなどをご紹介する事で、TOCAがどんな店なのか、どんな感覚の人間がやっている店なのか、ちょっとでもTOCAの事を身近に感じて頂けたらというブログ企画「TOCAの目」。

第二回目はこちら。
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北海道岩見沢の焼き物「こぶ志焼」の創始者である故・山岡三秋さんの作品。
海鼠釉の大振りなビアジョッキです。

焼き物不毛の地と言われていた北海道に1946年に「こぶ志窯」を開窯した山岡三秋さん。
道産の素材にこだわった物作りで礎を築き、「北海道の焼き物」として現代の三代目まで続く窯を作り上げました。
そのパイオニア精神には、大いに惹きつけられる魅力があります。

このジョッキで私が一番気に入っているのがココ。
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「The Beer That Made Sapporo Famous」
札幌を有名にしたビール、の文字の絵付け。
そうです、サッポロビールのこと。
こぶ志焼の初代・三秋さんはサッポロビールの大の愛飲者で「サッポロビール会」というファンクラブ的な会合の会員でもあったそう。
そんな所も、北海道に対する強いこだわりを感じるエピソード。
日本の民窯の器と言われなければ、海外のヴィンテージか何かかな?と思わせるような柔軟な感性が感じられてとても気に入っています。
こちらのビアジョッキは、一般に流通する販売用の作品としてではなく、サッポロビール会の方に回すような私的な用途で焼かれたモノらしく、珍しいアイテムです。
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飲み口の口当たりも良くて、このジョッキで飲むビールは格別美味いです。
この器を使う時は当然、銘柄はサッポロにこだわりたいですね!
いっつも同じグラスじゃなくて、日々こんな風に器も楽しみながら飲むのが至福の時間です。

今日も沢山働いて、栓を開ける。
ビールの泡は裏切らない。
よく働き、よく飲みましょう。
美味いビール、飲んでますか?
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